| 大田区職人井戸端座談会
2003,07,01
A職人:最近、大田区の若いもんがオリジナルブレンドオイルとか言って
切削油を売りだしたって?
B職人:そうなんだよ。
親父が家宝にしてきた調合を
大田ブランドで売り出すって
盛り上がっているんだよ。
C職人:「だまされたと思って、
使ってみてください。」
て、隣のボースが言うもんで
試したよ。
普通だったら油をつけると変色
する場面であの油、キリコの色が
変わらないんだよ!
B職人:そらそうさ、何時も皆が使っている鉱物油は、
沸点がたかだか200数十℃だけど、
植物油ベースの琢磨はそれよりも100度以上も高いから
熱に強いのさ。
C職人:ほー道理で刃物がいたみにくい訳だ。
B職人:いやいや刃物が傷みにくい理由はそればかりじゃないんだよ。
あれにはもうひとつ大きな特徴があって、フッ素樹脂といって
物のすべりをよくする物質が配合されているんだ。
C職人:なるほど耐熱性の高い油に摩擦が起きにくく熱を伝えにくい
材料を配合してさらに完璧にしているのか・・。
B職人:おっCさん今日は冴えているねえ!
C職人:いやーわしもこの道に入って40数年になるけど
あんなにすべるように切れるなんて感覚は初めてのもんだぁね。
あんまり具合がいいんで何かほかの事に使えないかと思ってね。
A職人:うーんそう言えばおれの若い頃なんてそれこそ朝から晩まで
一日中タップ立てばかりやらされてた時があったけどあの頃
そんな油があったらどんなにか楽だったか・・。
C職人:そうかタップたてねぇ・・、そうだちょっくら用事を思い出した
ちょっと出掛けてくらぁ。
A職人:おいおい油抱えていそいそとどこへ行くんだい?
C職人:ちょっと野暮な使い道を思いついたんで・。
B職人:・・・・・・・・・・。
T職人:黙って聞いてりゃ、お前たち!
職人の世界じゃ、油売るってのは“怠けるってことだ”ぜ。
ちかごろの若いモンは「学」なんぞつけて、修行もろくにしないで
「楽な道具」を使いたがる。
昔は、親方の背中から、苦労しながら「巧み」を盗み取ったもんだ。
S職人:そうですよね! 青年は、「せっさたくま!切削琢磨!」ですよね!
T職人:てめえ!字を知らねーな。おめーは、ちっとは勉強しろ!
S職人:ひぇー!・・・・・・・・・・・・・・・ ! ! !
T職人:・・・・チェッと叱ると行っちまいやがった・・・・!
どれどれ、これが切削琢磨か!?
便利な道具は、コッソリ使うもんだ!
なになに、0.5リットルボトルが¥5,000か、
舶来製のより安いじゃないか!
職人の気持ちを掴んでやがる。
一度使ってみるか!
生意気にも代理店も募集しているのか・・・。
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